第314章

島宮奈々未が焦ったように訊いた。

「丹羽光世、夏目冬馬さんと夏目秋生さんのほう、何か動きは?」

丹羽光世は首を横に振る。

「今のところはありません。島宮健太が最後に姿を消したのは外環の外、郊外です。あの辺は監視カメラも少ない。まともに捜すとなると、時間がかかります」

郊外には廃工場だけでも百に近い数がある。住宅地もあれば、村や町も点在している。しらみつぶしは難度が高すぎた。

「出てくるべき時に、出てくるわ」奈々未は自分に言い聞かせるように肩の力を抜いた。「そうだ、今日ね。丹羽邦義に会ったの。ケーキ屋を始めたみたいで、道ばたでチラシ配ってた」

「ええ、知ってます」光世が言う。「午後...

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